共働き夫婦における家事負担の実情

女性の社会進出が当たり前になった現在、家庭を持っている女性の多くが仕事をしている。夫も妻も働いている夫婦のことを共働き夫婦というが、その実情とはどのようなものだろうか。例えば、妻が朝から夕方までのフルタイム勤務をしている場合、妻の家事の負担が大きくなりやすい。夕方に仕事を終えてから、食事の準備や洗濯、掃除など、夜にかけて家事をする必要があるからだ。もちろん、家事を女性ばかりが行う必要はない。しかし、実際には、仕事から帰宅した後に家事を行う男性は多くないようだ。

日本では、一昔前まで「男は外で働き、女は家庭を守る」と考えられていた。家庭といえば、夫がサラリーマンとして会社勤めをし、妻は専業主婦として家事をするものだとされた時代があった。会社などに勤めている女性のことを、わざわざ「職業婦人」と呼んでいたことも、そんな価値観の表れだろう。

しかし、現代では男女問わず仕事をすることは当たり前になっている。そこには、共働き夫婦でなければ家計が維持できないという経済的な理由もある。もちろん、男女ともに仕事を通して自己実現を図ることも大切だ。

このように、女性が家庭にとどまらない現代においても、かつての男女別の価値観が残っているために、仕事をしている女性にとって家事の大きな負担がかかりやすいのが実情である。これを解消するには、男性や、その雇い主である会社等が現代の家庭のあり方を正しく認識し、男女ともに家事を担っていくべきだという考え方を醸成していくことが必要になるだろう。